ヴェローナ行きたい

1640日の家族のヴェローナ行きたいのレビュー・感想・評価

1640日の家族(2021年製作の映画)
4.7
キャッチコピー
『大切なのは、愛しすぎないこと』
視聴前は、意味が分からなかった。
愛する気持ちって、コントロールできたっけ?
止められないよね・・・視聴後、複雑な気持ち。

一つ一つのシーンが、言葉にならない。

シモンの「ママ」って呼ぶ声が可愛すぎる(ᐛ ).。♡

実話を基にした、フランスの里親制度の話。
養子じゃなくて、里子。
シモンは生後18ヶ月で里親家族の元へ。夫婦の実子である2人の息子と兄弟のように4年半幸せに生活している。しかし突然、シモンの実父が「息子を手元で育てたい」と言い出したことから家族を取り巻く状況は一変。里親・実父・里親制度関係の福祉の職員、それぞれが「シモンのため」を思っているからこその複雑な話。

実父も息子に好かれていたくて、必死なのは分かる。だけど『せっかくの週末が数学で潰れる。一緒に楽しみたい。』・・・え?これから生活していくなら、お勉強も見ないと(˙-˙)限られた時間の中で、楽しい時間を過ごしたいのは、分かる。分かるけどさぁ・・・。施設に一旦も、イヤ。働き手扱いされそうな施設なのも怖いし。これから、ずっと一緒にいるんでしょ?一旦ってなに?育児に休憩とかインターバルってあるの?(˙-˙)
だけど、実父の事情を知ると責められない。
彼にも事情があるし、シモンへの愛もある。

里親側も実子と同じようにシモンを大事に愛を持って育ててるのに「時が来ました。さぁ、実父の元に」って、物のように返却みたいなことできるわけない。
だから、見てて辛すぎる。
ビジネスでもある里親制度・・・割り切れる?
だから『大切なのは、愛しすぎないこと』かぁ。

平気なんて装えないし、分からない無理(._.)

結局、我慢や辛い思いをするのは子ども。
制度がしっかりしてたり、
周りが慣れていると色々感覚が違うのかな?

こんなん、心が壊れそう。
また、観たいほど良い映画だけど・・・当分観れない。

_φ(・_・
忠誠葛藤・・・一方の親と仲良くすることを子どもが他方の親への裏切りだと感じる葛藤。尊重したい複数の大人の利害関係の中に置かれること。

監督が子どもの頃、両親が里子を迎えて一緒に暮らした経験に基づく話と、監督が取材から得たエピソードを織り交ぜた実話作品。
(取材→)妻が赤ちゃんを産んだ後に死んでしまい、悲しみに打ちのめされた夫は、養育能力がないと判断され、赤ちゃんから引き離されてしまった。映画で描かれる実父エディは、妻の死からやっと立ち直り始めた、うつ病を回復しつつある人物。病気が理由でシモンを手放すしかなかったが、仕事もやっと順調になり、まだ子どもの扱いに慣れていないだけで「息子と暮らしたい」という彼の愛と思いは一途。