秋のコーラ

窓辺にての秋のコーラのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
4.5
公開2日目の土曜に観て、義務感というか、この作品をもっとちゃんと理解したい、と感じて2日間で計3回観ました。

全編に溢れるセリフの数々に、観ていて視覚的快楽は勿論、聴覚的快楽も得られ、セリフを理解しようと脳を稼働させ続ける2時間20分のため、観賞後の満足感は半端ないです。

自分の中で一通り、殆ど全てのシーンに関して「答え」のようなものは出せて、それが監督の意図してるものと同じかは分からないけれど、それらをそっと心に仕舞って置きたくなる作品。

観ていて、お!っと思ったのは、終盤のとあるTV画面のシーン。
『街の上で』での、これまで一切関わりの無かった登場人物達を一斉に登場させるクライマックスを、一画面で完成させてしまう上手さ。そして、『街の上で』から一歩進んで、それを観たとある登場人物の行動につい泣いてしまいました。

『街の上で』と比較してばかりになるけれど、あの作品よりも沢山の主要人物を登場させ、セリフ量も(多分)かなり増やしながらも、それぞれにしっかり余白部分を残す監督の手腕に拍手。
ラストの締め方や余韻も含めて、悪い言い方をすると少しばかりの嫌らしさもありつつ、そこまで愛おしく感じます。

やはり、自分は今泉監督の空気感が肌に合うと実感出来た、嬉しい一本。
秋のコーラ

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