エマ

窓辺にてのエマのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
4.1
今泉監督作品に出てくる人物はみんな色づいている。だから好き。

ドス黒い展開にもなりうる世界線を、柔らかく暖かいユーモアで包み込んでいるから、笑ってしまうし、フィクションの中に現実性を感じることができる。
実際浮気された時ってこんな感じなんじゃないかな?
沸々と湧き上がる怒りと憎しみが、、、みたいな展開ってそれこそ現実的じゃない。

水木しげるのくだり、不意打ちすぎて吹いてしまった。それ以外にも笑ってしまうようなシーンが多く、だんだんと笑いのツボが浅くなってきて、最後らへんとか「いや、2人でトランプつまらないだろ、、、」ってところまでおかしく感じて笑い堪えるの大変だった。

この作品ポスターだと「たとえ、パーフェクトじゃなくても」という一言が差し込まれていて、かなり良いけどそこじゃない気もする。
「続ける、辞める」と「手に入れる、手放す」はかなり近いものだし、今の関係性を続ける・辞めるという選択をしている描写が多い。
そして、一緒に何かを食べるという行為を、主人公も、浮気をしている男も妻以外としている描写しかないのが少し気になった。
ご飯を外で食べるという貴重性は、妻とは味わうことが少ないだろうし、そこに何か意味を持たせようとしている気がした。

るあちゃんが最初大天才みたいな登場の仕方なのに、彼氏との掛け合いは高校生過ぎるのめちゃくちゃ人間で好き。

多分自分も恋人が浮気していても怒りとかは湧かないだろうなと考えているのですが、サイコパスですかね?笑
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