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窓辺にてのあのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
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言えないことが書けないことが表現できないことが愛であることもあると確信した映画。

稲垣吾郎演じる茂巳の丁寧だけどどこか心がここにないような優しさと哀しさ漂う話し方が心地よさを感じた。また喫茶店や走らせるバイク、パチンコ屋やホテルの薄暗さなど光の取り入れ方が綺麗で眩しかった。

個人的な感想として小説や読書という感情を多く揺さぶられる仕事をしているため茂巳の感情自体が動いたり表現したりすることが少なかったのだと思う。しかし、確かにそこには愛があって茂巳らしく愛していたのだろう。言葉にできないことが本当なことだってある。本当に好きで大切ででも言葉にしきってしまうと自分から感情が離れたみたいに感じるから嫌われたら別れたら耐えられないから。そうやって押し込めてきた言葉が表現が何度もあった。
本当に言いたいことってなんだ。
言えないという事実の方がよほど真実に近いのではないか。
あ