通りすがりのいがぐり

ザ・メニューの通りすがりのいがぐりのレビュー・感想・評価

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
5.0
ようこそ地獄のフルコースへ

人間は愚か系映画が大好きなみなさん、遂にやってきましたよ大好物な逸品が!舞台は孤島・お客は成金・不条理満載という完璧な体制で行われる悪趣味コメディーが!

出てくる料理は一級品。そして繰り出される毒味の強い可笑しさもしっかりとした歯応えで楽しませてくれるし考察が捗るクライマックスの展開も大好物なのだがこの毒々しさの面白さが中々クセが強い故好みが大変分かれやすい作品でもある。展開はコース料理を一品一品食べていくようにゆっくりだし皮肉が過ぎる所もあったりと本当にクセが強い。でもそんなところも大好きなんです。

序盤で早々、"食べ方"の説明を"お客様"にする場面もあったりお客様への合図のアレも観客に行ったサインな所も含めて、この映画しっかりとスクリーンを観ている観客を巻き込む構成になってるんです。おまけに思い返せば思い返すほどツッコミどころが考える余地のある考察になっていくので一度観て二度も三度も味変する極上の一品であるし、今年の変わり種映画で最高に楽しい作品であると胸を張って言えます。

普通人代表のアニャと狂気人代表のレイフによる演技の殴り合いだけじゃなく考察の楽しさと不条理に巻き込まれる恐ろしさをスクリーンをゆっくりと飲み込んでゆく悪趣味だけど楽しくて仕方ないこの映画。本当に大好きなんですが否定的な意見にもしっかり頷けますが超オススメです。ダークホース降臨です。