コーヘイ

ザ・メニューのコーヘイのレビュー・感想・評価

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
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人が料理をする、ただそれだけのシーンで泣けたのは、犬童一心監督作品『ジョゼと虎と魚たち』のラスト、魚を焼くジョゼの姿を観たとき以来だ。
この映画で描かれたのは、「失われた童心」と解釈。結局、人生でいちばん幸福だったのは小学生の頃に友人とゲームしていた時で、あの楽しさは童心があればこそだった。社会にもまれるにつれ、失われゆく純真な心の脆さに気づくのは、大人になったときだ。
本来、「美味しい」や「楽しい」といった感動を一言で言い表せれば充分なはずなのに、私たちは、おおいに大人になってしまった。けれど、だからこそマーゴの存在が輝く。弾けんばかりの笑顔をした少年少女の瞳くらい輝いている。
チーズバーガー。スローウィグの微笑みに、たしかにあったあの頃の童心が垣間見える。美しい瞬間だった。

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