ンケダソ

半透明なふたりのンケダソのレビュー・感想・評価

半透明なふたり(2022年製作の映画)
3.6
原案芥川龍之介、「鼻」。鼻が人より大きいことから周りの嘲笑の対象である男と、過去のトラウマから片目を眼帯し続けている女という2人の自分自身にコンプレックスを持つもの同士が出会う。

両者のそれぞれのコンプレックスからか社会からの逸脱を表すようなほぼ全編モノクロのアートワーク。そんな中で一筋の光のような、2人がコンビニで出会い店内でダンスをするシーンはとても印象的。

SNSの発達により希薄な関係性を築きやすくなり、責任ない言葉を発しやすくなった現代の問題の一場面を顕在化させた作品。
自分自身に置き換えると、他者への興味や関わりを強めれば攻撃性を持ってしまう事も考えられる。が、興味を薄めて関わりを減らせばそれを持つ機会を限りなく減らせる。受身の場合も然り。
その辺の調節が器用に出来れば、とこれまで何度嘆いてきた事か。
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