ぽよ

感染列島のぽよのレビュー・感想・評価

感染列島(2008年製作の映画)
3.4
当たり前だけど、作品と対峙する時期によって、自分が置かれた環境によって、評価というものは大きく変わる。「リアリティを感じられるのかどうか」という尺度は映像作品への評価基準として正しいものなのかどうかは定かではないのだけれども、このような未曾有の事態に対面している2020年だからこそこの作品を観て揺り動かされるものは確実にある。

「コンテイジョン」と比較されることが時世的に多いと思うけど、個人的にはやはり母国を舞台としたストーリーであること、と同時に、ウイルスの根源となる部分に言及し、そこに私欲、利権、政治的なムーブが介入しているという事実を少しでも描写していること、に対して胸糞の悪いリアリティを感じた。

今私たちが生きている現実の世界では、実際の医療従事者たちは生温い人間ドラマの進行に一喜一憂する暇もなく、ただただ一刻を争う壮絶な自己との戦いが繰り広げられているのだろうという想像をもってすると、勿論ツッコミどころが多い部分も多々あるし、感染症の影響というものを手広く取り扱いすぎて少しオーバーフロウ気味になったところも否めないのだけれど、それでも今の時代に生きる私はこれをもって改めてウイルスの恐ろしさや守りたいものについて今一度考える機会にはなった。シンプルにね。
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