ともち

感染列島のともちのレビュー・感想・評価

感染列島(2008年製作の映画)
3.3
職業、医者。
未知の感染症が日本を襲う物語。
今の状況にちょっと似ている。
しかし、映画では感染者も死者ももっと多く劇中では使われていなかったがまさにパンデミック状態。
病院の描写がメイン。
人工呼吸器が足りなくて、命の選別をする様や、院内感染、医療従事者の死も描かれる。
病院の前に作られた仮説診療所では、軽傷者は自宅待機を命じられる。
72時間以内の地域封鎖を急遽行った結果、買い占めになったり、疎開目的の車が渋滞したり、今の現実以上に混乱を極めている。
アナウンサーは、不急の集会をさけ、自宅を出ないようにと伝える。
どこか現実のドキュメンタリーを見てるのような部分すらある。

感染者1000万人で、死者300万人になった時点で、急に街が荒廃した様が描写される。話飛ばしすぎ、人はいったいどこいったよ笑
医療従事者に焦点当てすぎて、上記場面以外、一般人の生活が描かれていないのがもったいない。
そして、ウィルスの原因の特定しに医療従事者の主人公松岡がわざわざ海外に飛ぶのは、無理ではないか?と素人目にも思ってしまった。
劇中では、日本在中の外国人に退避勧告が出されていたし、今の日本の現状からも海外渡航なんて現実的じゃないだろってつっこみを入れたくなる。

行った先では、ゾンビみたいな人々に襲われて、医療者なのに逃げてしまう。そりゃそうなるよね。いろいろ怖いもの笑

ガンを抱えながら生きる仁志教授の「人間ウィルスと共に生きることでけへんもんやろか?」という問いが胸に迫る。

感染症だけでなく、経済状況など、静かに危機が迫っている現状で、「たとえ明日地球が滅びるとも、今日キミはリンゴの樹を植える」というメッセージも噛みしめたい。
ちなみに私の好きな紅の豚の「いい奴は皆死ぬ」というセリフをもじるなら「いい役者は皆死ぬ」映画です。ほんと
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