600メートル上の地獄
最近のワンシチュエーションものの中ではとても出来が良くそして大変怖い映画がついに日本上陸。悲劇を乗り超えるために何故かわからないが600メートルの鉄塔登りに挑戦する事になった2人の女性。案の定事故が起き案の定ハシゴは壊れ案の定孤立無縁になってしまいサバイバルを余儀なくされるのだが、この描き方が大変素晴らしい。
高所という恐怖をとことん味合わせる上と下の撮り方は映画館で高所恐怖症を発症させるには十分なくらい怖く撮れている。劇中何度も下を観る場面があるのだが全部怖い。展望台とかで下を見た時のあのクラクラする感覚を映画館で味わえるのは一種の地獄といえよう。この手のワンシチュエーションものの映画ではそんなに…になりそうなメインとなるドラマの肉付きも程よく仕上がっており、塔に登った理由や女性2人のドラマも丁寧に描きながら進行するのでドラマによる緊迫感もしっかりと引き出されているのも好印象。生存競争の残酷さと尊さを同時に描いたのも実に良い。
基本に忠実をやりながらも恐ろしさ引き立つ撮り方とグッとくるドラマで一瞬たりとも油断できない緊迫感あふれる107分間。この冬映画館で背筋が凍りたい人は是非楽しんでもらいたい。実に良いワンシチュエーションものだからね。
