ななつ

レジェンド&バタフライのななつのレビュー・感想・評価

レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)
1.1
あの歴史の裏には実はこんなことがあったかもなかったかもしれないしなかったとも言い切れない
事実は事実として変わることなくそこにありその上で史実劇は夢が膨らんで面白い
けれどもよくよく考えなければあなたの妄想を他者が受け入れるに至らないのも史実劇
そんなのわたしの妄想の方がわたしの中で圧倒的に面白いからさ

今作では信長は本物のうつけで全く中身がなく最期まで誰かの望み通りの人物であろうとしたとてつもなく可哀想な人
濃姫の方は操り人形な部分はあれど女子という強みを存分に利用してうつけを操りそれが手に余り出すと捨てて逃げ出す勝手な人
2人とも自分の人生に自分の計画がなくただ只管お気の毒
せめてこの2人に芽生えたっぽい本物の愛が胸を抉るようにつたわる脚本と演出があったなら見るものがあったのにと残念でなりません
それまで募るものも大して見えないのに血塗れで結び合う2人とか見てる側に感じるものがあるわけないでしょうよ
そこに至るエピソードは愚劣だし
撮影しててこれでいいと思えることが不思議です
情感と行間言外の感情が見えなければセリフなんて一言も意味を生しません
ラストのセリフなんかもねぇどんなに言ったってそれまでのことが伝わってないからあーそういうことだろうとは思ってましたとしか思えません


冒頭あたり綾瀬はるかがキムタクに全く忖度せず意にも介さず踏み潰す勢いで凄かったですね
ほんっとに無敵の人です
キムタクは可哀想な役な上に人物が描かれておらず何重にも可哀想でした

宮沢氷魚が声を張ってセリフをしっかり言えるよう訓練してあって素敵で染五郎くんが良い声で流石です
ななつ

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