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パープル・ハートのakuruのレビュー・感想・評価

パープル・ハート(2022年製作の映画)
3.3
 1つ1つの要素(契約結婚からの本気の恋、軍人、音楽…)は好みど真ん中なのでワクワクしながら見てたんだけど、後半に進むにつれ???となる。
 とはいえ、「シンデレラ」で好感度が高かったニコラス・ガリツェンの目線はロマンチックだし、私が好感を持ちやすい俳優はディズニーチャンネル出身らしいと法則を発見したのちのソフィア・カーソンもとても好みのヒロインだったのだけど。

 前半は今のアメリカが抱える問題を次々と提示されて、あ、これ甘いだけのラブストーリーじゃないんですね…と腹を括る。ただ後半になって私の腹を括った問題はひっくり返り、ただの甘いラブストーリーとなるわけで。このテンションの違いが違和感を覚えるんだろーなぁ。
 砂糖てんこ盛りの展開もむしろ大好物なんだけど、それならそうと最初からそうしてくれるとありがたかったなと思う苦笑

 でもソフィア・カーソンの切なげで、寂しさを叫んでいるような歌声は素晴らしい。ニコラスのそりゃー現代のフェミニストヒロイン・キャシーも陥落しますわな!といった感じの甘々な目線も健在。久々の発作に苦しむキャシーを優しく抱きしめるところとかは包容力!!(あるいは軍人の体躯!!)って感じで。色気がひどい。

 でもなんでだか、号泣ものであるはずなのに(そしてとても私はこの手のものに弱いはず)全然デトックスされなかったのはやはり脚本だと思う。見ればわかるよ、聞けばわかるよをそのまま文字にされても、感情って動かないんだな。映画って奥が深い。

 それはさておきグングン上に上がってくキャシーに、罪をひとり背負い闇堕ちしていくルークの対比に今の世の中が表されてる。女性の私から見ても、これは少しルークが可哀想だ。
 人間は、男女の関係ともウィンウィンにはなれないのか。差がつきすぎても、差がなさすぎても不満をいっている自分がそもそも、な話である。
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