高熱のときに見る夢

ブロンドの高熱のときに見る夢のレビュー・感想・評価

ブロンド(2022年製作の映画)
3.3
もう既にこの世にいない人のノンフィクション風映画は、本人の意志や反応を確かめられないし残された者の自己満足という感じがして、ジャンルとしては全く好きじゃないのだが話題なので一応見た。

アナ・デ・アルマスはとても魅力的で、全体的に甘美な悲しい夢を見ているようだった。

それはそうとして実在していた人間を描く作品としてはまじでどうなんだ。事実の描き方どうこうではなく、彼女の人生の重大な出来事が脚色と捏造されていたことがかなり気になる。
(性的暴行は児童の頃、ハリウッドには中絶文化(!)があったけど彼女はしてないということだったはず、他にも色々)

犠牲者として扱われたくないというマリリンの意向をガン無視している印象を受けた。
フィクションと前置きしておけば、生前嫌がっていた人を勝手に悲劇のヒロインにしても良いとは思わない。

フィクションが「現実を足場に新しい世界を展開すること」で、嘘は「現実を都合よく編集すること」だとするとこの作品は嘘なのではないか。