lingmudayan

エゴイストのlingmudayanのレビュー・感想・評価

エゴイスト(2023年製作の映画)
3.0
鈴木亮平が他のゲイたちと居酒屋で話したり、路上で踊ったりするシーンにはずっと見ていたい楽しさがあった。

金持ちの鈴木が貧しい宮沢氷魚とその母親の阿川佐和子を金銭的に援助することは愛かエゴなのかというテーマは貧富の差が拡大する現代において重要になりつつあると思うが、金を介すことが関係のパワーバランスに及ぼす影響があまり描かれていなかったと思う。これがもし中年男性が若い女性と結ばれて貧しい彼女を金銭的に援助し、彼女の死後その母親も援助するという話になったらかなりグロテスクになるのではないか。ゲイという要素を加えればそうしたグロテスクさが薄れるのだとしたら、それはゲイをきれいなもの、純粋なものとみなすステレオタイプがあるからではないだろうか。
lingmudayan

lingmudayan