ジェイティー

映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)のジェイティーのレビュー・感想・評価

3.4
のび太君が裏山で見たというユートピアを探しに各時代、場所に行ってみるも中々見つけられず諦めかけた時、誰でもパーフェクトになれる本物のユートピアを見つけるお話。

劇場版ドラちゃん、映画館で観るのはかなり久しぶりでした。
話は割とダークでして、普通にカルト要素を持ってくる辺りは流石ドラちゃん、そこに痺れるし憧れるのですが面白さで言うと平均かなと。

今回はその要素とのび太君のいつもの駄目っぷりにフォーカスしているのは中々面白い試みだったと思います。
勉強もできず駄目なところもあるけれどドラちゃんからすれば誰かのために心を痛めてることができ、その人のために行動できる一面も知っているわけです。
そして人と心を形作るものはパーフェクトだけではなくむしろパーフェクトすら個性の一部にすぎない事を本作で伝えているのかなぁと観ていて感じました。
機械だけど自分の気持ちを伝えることのできるドラちゃんは本当に素晴らしく改めてプログラムされたものではなくしっかりと心を持っていると言えるパーフェクトネコ型ロボットだと僕は思います。

肝心の物語についてはおよそ100分という個人的に理想の長さなのですがどうも足りていないように感じるのは子供たちの理解に合わせた結果なのでしょうかね
子供は自分たちが知っている事よりちょっと大人を感じさせるものを好むと思いますのでもっと邪悪でも良かったんじゃないでしょうか。
実際いつものジャイアン達じゃなくなっていく様は子供達からするとちょっと理解が追い付かなくて怖いかもしれません。

余談ですが僕の姪っ子と甥っ子も当然観ているそうで聞いたところによると姪っ子はとても怖かったので沢山ポップコーンを食べて怖さを紛らわせていて、甥っ子はお母さんと感想を伝え合った時に「ママは旧ドラのテイストに引っ張られ過ぎている!」と非難したそうです笑。