なっちゃんが死んだ。
衝撃的な展開からスタートするこの作品。
けれどそこに重々しさはなく、大切な人の「ひみつ」をひた隠しにしようとする仲間たちの温かな思いやりが溢れる、ハートフル・ロードムービー。
誰かを想うがゆえのやさしい嘘に、心が解かされていくようでした。
「好きな場所、好きな世界、好きな俳優さんと、好きなスタッフの皆さんと撮れたことを幸せに思う」
という監督の言葉に嘘偽りはないであろうと納得できるくらい、作中に出てくる舞台・郡上八幡の景色の美しさが印象的。
自分を生きることの美しさ。
自分を生きられず、けれど懸命に、自分の人生と向き合おうとすることの美しさ。
登場人物たちの、不器用ながらに"まっすぐ"な生き方に触れるうち、
自分の内側にも必ず存在する、自分なりの「美しさ」に触れることが出来る作品だと思います。
渋谷すばるくんが今作のために書き下ろした主題歌『ないしょダンス』は、
「はみ出し者」の心の内から聞こえてくる魂の叫びをそのまま音に乗せたような、疾走感溢れる一曲。
映画の内容にとてもリンクする、愛とリスペクトと遊び心が詰め込まれた、素敵な曲です。
オンライン試写会で鑑賞できたことを嬉しく思います。
ありがとうございました！
