パイルD3

ウーマン・キング 無敵の女戦士たちのパイルD3のレビュー・感想・評価

4.0
登場する女戦士たちが圧巻!
スピード、ジャンプ力、腕力、脚力、そして卓越した精神力、うーん、全て私に無いものばかりで、これはもうジムなんか通っている場合じゃなくて、アフリカに行って鍛え直そうと思いました!
…まあ、思っただけですが。

で、流すつもりで見始めたら、コレがちょっとおもしろすぎました。
バトルを軸にした血湧き肉躍る歴史ストーリーで、アメコミCGものに食傷気味の方は.このアナログアクションはオススメです。
ブラックアマゾネスのパワーと熱量が力強く爆発します。

1823年、奴隷貿易がまだ盛んだった頃の西アフリカを舞台にした、史実にも残るダホメ王国のアゴジェと呼ばれる女戦士たちの物語。
…と言われても全くアフリカの歴史には疎いので、日本が開国前夜の話か?くらいの時代認識。

属国としていいようにされてきた隣国オヨとの独立を目指す戦乱が始まる中、民族の自由を獲得するべく、人身売買目的で我がもの顔で乗り込んでくる白人たちとも戦わねばならない。
そんな弱小国に作られた最強の女戦士軍団アゴジェ、素手までもが強力な武器なので正に格闘家軍団と言える猛者揃い。
彼女らは宦官以外、男子禁制の大奥みたいなところで生活していて、結婚はせず、子供も産まず王宮内で一生を送るというルールの中で生きている。

ドラマはそこに入ってきた研修生の19歳の生意気な小娘ナウィと、戦士たちを率いる女将軍ナニスカを中心に展開するが、この2人以外の周囲の側近や教官らもキャラクターの書き込みがしっかりしているので、完成度そのものが高い。

若いナウィが、なぜ恋や結婚をしないのか?とベテラン教官に聞く、教官が答える。
「愛は人を弱くする」
これが、男と対等に渡りあえる強さを求めて組織された、アゴジェの中心にある戦士哲学なのだろう。

とはいえ、声高に女性の立場や社会性を主張するわけではなく、史実とフィクションを織り交ぜて、徹底した堂々たるエンターテイメントとして仕上げているところが、今の時代に呼応している。
パイルD3

パイルD3