kazマックス

スピリッツ・オブ・ジ・エアのkazマックスのレビュー・感想・評価

3.6
『クロウ/飛翔伝説』アレックス・プロヤス監督デビュー作の1988年制作オーストラリア映画。北へ向かう流れ者が立ち寄った荒野の一軒家。そこに住む兄は飛行機作りに没頭、妹はキリスト原理主義者。流れ者が北へ進むには前方に立ちはだかる山々を飛行機で超えなければならない。


原題には追加で『Gremlins of the clouds』が付く。グレムリンと言ってもギズモのほうではなく、飛行機に取り憑いて悪さする本来のグレムリンの名がタイトルに付いているだけに、飛行にまつわる鳥人間コンテスト的なファンタジー。でもクリーチャーは出てきません。

『マッドマックス/サンダードーム』でキャプテン・ウォーカーを信じてジャンボジェット機が風に乗り空を舞うと信じていた子供たちの話に引っ張られてる感じもする。

一軒家に住む妹の白塗り具合がエスカレートして、アルバム「ホモジェニック」のビョークやティム・バートン映画に出てくるヘレナ・ボナム・カーターみたいになっていて、空気が抜けて縮まるパフォーマンスなんかのディテールも好き。


80年代のオーストラリア映画といえばマッドマックスにクロコダイル・ダンディー、あとはピーター・ウィアー監督作品ぐらいしかなく、まだまだ得体の知れないオーストラリア映画が存在する時代の作品としては非常に興味深い映画でした。