アニメーション作家フローランス・ミアイユ監督の長編デビュー作。
1905年にユダヤ人虐殺から逃れるためにオデーサを離れることを余儀なくされた監督の母親と祖母へのオマージュ。
略奪により村を追われ一家で逃げ出すも、途中で両親と生き別れになってしまったキョナ(監督の母)と弟のアドリエルが辿る、長年に渡る悲痛な運命。
顔や全身に模様を入れ墨しているスカンデルベルグ人のイスカンデル率いるストリートチルドレン一味、人身売買業のヨンという悪人、ブルジョア夫婦、雪山の老婆、遊牧民のサーカス、強制収容所・・・
姉弟の悲惨すぎる幼少期〜青年期を、ガラスに油絵を描き、動きを出すために少しずつレタッチするという手法で10年以上の歳月をかけて完成されたという本作。
キョナが、両親、家族、村人、出会った人々を描き、大切に持ち続けたスケッチブック。
闇取引やスパイをして生き抜いていたイスカンデルとの関係・・
心揺さぶられる作品です。
アヌシー国際アニメーション映画祭: 審査員優秀賞 ほか