あ

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのあのレビュー・感想・評価

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繊細さを描くことの難しさを十分に理解したうえで、この映画を届けてくださったことに深く感謝せずにはいられないし、この映画を必要とする人たちに届いて欲しいと心の底から思う

傷つけられずに生きていくことも、傷つけずに生きていくことも難しいことで、何よりもこの世で関わっていく人のすべてが自分と同じくらいの設定で生きているとは限らないということ
悩んで苦しんで、立ち止まってもがいて、でもその先にあるのはやっぱり対話で
他者を通じて自分を知り、相手の中に自分を見出し、自分の中に相手を見出す。
私たちにはまだまだ話すことがたくさんある。きっとそこにはぬいぐるみもいる。誰にとっても平等に、ぬいサーのような場所があって欲しいと祈らずにはいられない

監督が創作される上で大切にしている【スクリーンから取りこぼされてきた人や物や景色】がどれも素敵で鑑賞を重ねるたびに発見があった。なんの前触れもなく展開が変わるシーンではまさに観ている側が置いてけぼりにされているようで、登場人物の抱えている繊細な苦しみが共に伝わってくるようなところが素晴らしかった

あとやっぱり細田佳央太さんは天才でした。繊細で優しい、優しすぎる七森というキャラクターがそこに居ました。分岐する道路を目の前にしてどちらにも進めなくなる後ろ姿なんてもう。。。演じてくれて届けてくれてありがとうございました。もっと多くの人に広まりますように
あ