語り口は穏やかで、苛烈な歴史の紹介と、問いかけが繰り出される。
最近はアジア人ヘイトも高まってきているけれど、当然それとは別次元の話で、
アメリカ合衆国史はネイティブアメリカンの虐殺と共に幕を開け、奴隷を使役することで刻まれた。
二百数十年の長きにわたり、アメリカ建国からも90年余り奴隷制度は合法だったし、人種隔離法は1960年代まで有効だった。
歴史を知れば知るほど、白人は黒人に絶滅させられても文句言えないのでは?と思ってしまう。
差別的な白人も、無意識でそう思っているから黒人のことが怖くてたまらないのではなかろうか。
恐怖は攻撃性に直結している。
それでもこうして融和しようという人間が多くいるのだから、明るい未来をなんとか信じたくなる。