YouTube配信にて視聴。心霊系YouTuberが栃木県の心霊スポットを取材に訪れ、これまでの心霊体験を語りながら探索を進めるモキュメンタリー・パートと、彼が頻繁に心霊に接触するきっかけとなった高校生時代の恐怖体験を再現するドラマ・パートの2部構成となっている。
ホラー・ジャンルに新要素を加えるような画期性はなく、まあアジア圏のホラー映画の演出を切り貼りしたようなつくりで驚きはない。
ただ、ドラマ・パートに登場する亡霊の描写が鶴田法男以来のJホラーの伝統に根差しており(例えば、「赤い服の女は必ず亡霊である」「亡霊は何もせず、ただ立っているのみである」など)、そこは先行作へのリスペクトがある。脚本に実録モノではベテランの寺内康太郎(「心霊マスターテープ」(2020))が参加しており、その点納得であるものの、クライマックスでCG亡霊をショック要素として用いるのは的外れである。