本作の要諦は、好奇心の衝動を抑えられなかった男と、トラウマ(※)を克服しようとしたサイコパスとのあり得ざるマッチングを、過去の失踪事件を糸口に実現させてしまったところにある。
全編を通じて、恋人を失>>続きを読む
ムルナウ「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922)へのリスペクトから、同作が排除されるきっかけとなった原典「吸血鬼ドラキュラ」の著作権が切れた1979年に製作されたリメイク作品。
1922年版を基本的に踏>>続きを読む
カナダ、ケベック州ナン島にあるミース晩年の高層アパートは、デヴィッド・クローネンバーグの秀作ボディ・ホラー「シーバース」(1975)のロケ地である。クローネンバーグはミースの傑作での15日間にわたるロ>>続きを読む
オージー産心霊モキュメンタリー。湖で溺死した16歳の少女、アリス・パーマーをめぐる死後の不可解な出来事を家族や友人、関係者のインタビューでたどる。
シナリオのまとまりがいいし、演出も作り込んでいる。>>続きを読む
十分傑作ですよこれ。いい意味で予想を裏切ってくれたサイコ・スリラー作品。宣伝自体ワザと「羊たちの沈黙」(1991)、「セブン」(1995)風にミスディレクトしているが、確かにその要素もありながら、クロ>>続きを読む
(2025.3.16 再鑑賞)
刑事バディものと見立て殺人というオーセンティックなモティーフをサイコ・スリラーに接続しつつ、大都会ニューヨークに越してきたカッペのピットとパルトロウ夫婦の孤立に焦点が絞>>続きを読む
(2025.3.15 再鑑賞)
殺人鬼だって人間だもの。ジャンル映画の格上げゲーム・チェンジャーとしての地位を確立した90年代最高のスリラー作品のひとつ。末期だったスラッシャー映画を駆逐してしまった(>>続きを読む
オズグッド・“OZ”・パーキンス(アンソニー・パーキンスの長男!)の作風予習。ナント「回転」(1961)以来のアングロ・サクソン正調亡霊映画で驚かされた。
今日び、ジャンプスケアがなければホラーにあ>>続きを読む
災いをなす亡霊に人間側が復讐するという後半の転調がひとつの見どころに設定されているが、亡霊映画ファンとしては前半の恐怖描写に注目したい。
入居する者を絶滅させる「呪怨」スタイルを採用しており、まあ主>>続きを読む
結局シリーズをとおして鑑賞してしまったが、全体観では、不気味なファウンドフッテージをめぐる謎解き取材の軌跡をリアリティショー風に演出したモキュメンタリー、ということになる。
最終作では、かなり横紙破>>続きを読む
いやー、いいですね。70年代に大量生産されたオカルト映画の数かず、就中イタホラ風のハッタリ感もまとったヴェイパーウェイヴ・ホラー。
デヴィッド・ダストマルチャンが司会を務める深夜番組に、カルト教団か>>続きを読む
ダンス映画の撮影と死者復活の呪術を絡めた変則ゾンビ映画。撮り方がパニックものと異なっており、ああそこは主題じゃないのねと了解はするが、ジャンプスケアも拍子を外しているし、捻りすぎていつまでもシナリオに>>続きを読む
ホラージャンルに視聴者を巻き込むリアリティショーの演出を持ち込んだのは寺内康太郎の発明といってよいだろう。近年寺内が取り組む「フェイクドキュメンタリーQ」や「TXQ FICTION」シリーズでもこの手>>続きを読む
やらせドキュメンタリーの撮影中に失踪したディレクターの行方を寺内康太郎が追うシリーズ第2弾。
本筋の寺内がやらせドキュメンタリーの撮影現場を訪れ失踪時の再現検証を図る。やらせ用の廃墟に実はいわくがあ>>続きを読む
入れ子構造の中間層をまずはフェイク(仕込み)とバラすことによって、寺内康太郎が主導する最も外層のドキュメンタリー(配信番組として実在するそうだが)に真実性を錯覚させる試み。
どうやら続きものの初回ら>>続きを読む
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結局9回割って都合10カットかな?やりたかったのはただのワンカットもどきではなくて、編集による映画のリアルタイム化だったんだろう。殺人が起こって解決するまでを実時間に収めるトライアルが>>続きを読む
クローニングどうこうというてますが、ドッペルゲンガー・モティーフをスタイリッシュに仕上げたボディ・ホラー。
クローニング設定により「自分の死は観測できない」というパラドックスを克服し、それを究極の通>>続きを読む
原作モノということもあるかもしれないが、もともと地域色豊かな監督が国際市場を意識すると、どうも良さが失われてしまう傾向があるよね…
安楽死というテーマ自体はアルモドバル的なんだけど、シナリオがリニア>>続きを読む
監督のユ・ジェソンは「オクジャ okja」(2017)でポン・ジュノの助監督だったそうだ。チョン・ユミとイ・ソンギュンのキャスティングもジュノの支援があったという。
夫のソンギュンが夢遊病に陥ってし>>続きを読む
すばらしい。築100年以上の日本家屋に独居する元仏文学者の長塚京三のこなれた暮らしぶり(※)を丁寧に辿りつつ、高齢であっても決して枯れない欲やプライドも隠すことなく描写する。
瀧内公美や河合優美とい>>続きを読む