ちひろさんは人生何周目だろ、でなければあの若さでどれだけしんどい思いをしてきたんだろう。そのしんどさゆえに周りの人にさりげない優しさを与えることができるのかな。
だけど、色んな人のケアをしているちひろさんをみてて少ししんどくなった。原作は未読だけど、今後も色んなところに行っても結局ちひろさんは無意識に人のケアをしてしまい自分というものはどこか置いてきぼり。結局沈んでは浮かんでの繰り返しのような気がして。みててちょっと疲れてしまったかな。
ところどころグッと胸に迫る箇所はあった。
ちひろさんが部屋で沈んでるシーンの美しさや、マコトのおかあさんの焼きそばを食べて泣いてしまうオカジ、狭そうな水槽の中の金魚、などなど。
全体的にはちひろさんの描き方は男性視点で少し都合が良すぎるのでは…といった気持ち悪さを感じてしまったのは自分が女だからなのかもしれない。
逆に、リリーフランキーに対してお父さんみたいと言ってしまうのはちひろさんのズルさを感じてイヤだなーと感じた。若葉竜也に対しても。
ストーリーには乗らない色々な過去や背景、想いがきっとあるのだろうしそういう余白を感じさせる作品だったとは思うけど、ドラマだったらもう少し視点を広げられたのではと思った。
最後に。ホームレスのおじさん（鈴木慶一）の方が倒れているのをみつけて埋めるシーン。もしかしたら亡くなった後に家族や知り合いなどが弔いたい（弔ってもらいたい）かもしれないのに埋めちゃうのはちょっとなー。死体遺棄かどうかは置いておいて、ちょっとちひろさんの主観で行動しすぎかなと思った。
まとまりのない感想になってしまったけど、色々感じることがあったのでそこは良かったのかもしれない。
