2023/05/14（日） 19:10
【今日観た映画「ちひろさん」】
約一時間の成分献血の間に観始めて、翌朝残りを見終わりました。並の内容だった原作よりも色んな面で劣っており別に観なくてもよかったと後悔しました。
単話完結ものを映画の尺で作った場合の失敗作の典型。主人公のちひろと周辺の人物とのエピソードで構成されており、軸になるストーリーがあるわけではないので、原作未見の人はかなり退屈だったのではないかな。
その各エピソードも微妙に内容が変更されており、しかもそれが上手く機能していないという救いようのなさ。
例えば厳格な父親に窮屈さを感じつつも反抗することができずに過ごしている女子高生は、原作ではちひろや友人との交流を経たうえで、家族旅行を拒否することで自我を確立し成長するわけですが、映画版は友人の母親が作ってくれ焼きそばを食ってただ泣くだけ（笑）だったら家族とのシーンは要らないじゃん。
その他にも、元風俗店の店長に恋愛感情を抱いたちひろの友人がちひろに嫉妬して友人関係に亀裂が生じた状態になるのに、その後何事もなく月見パーティーで和気あいあいとしていたり、視力を徐々に失いかけているパート仲間に正体明かしするエピソードなど謎の改変ばかりでした。
「深夜食堂」のように一話完結のドラマにすれば面白くなる可能性はあったのに、いちど作品化されて失敗作のレッテルを貼られてしまうと再度の作品化はかなり敷居が高くなってしまうので、今回の映画化は残念です。
評価 2.5点/5点満点
