見逃した2023年新作追い込み週間①
松竹配給の恋愛映画は今年の『交換ウソ日記』も良かったけど、今作も本当によく出来ている映画。
如月が山田を好きになった理由が全編を通じて鍵になっているのが上手い。千輝の行動原理も理解できるものになっており(ただそれだけに展開が読めてしまうのが惜しい)、とある環境が彼の恋愛に対する価値観を作り上げたというのを語らずに説明していて、この辺りの丁寧な描写が素晴らしかった。
「片思いをすると皆、常識的なストーカーになる」と言ったセリフのように、周りが見えなくなっていく恋のおかしさを描いている辺りも良い。しかしそのおかしさは"熱中すること"に転換し、熱を帯びたパフォーマンスは誰かの心を惹きつけることを見せる。
