くさむすびさんの映画レビュー・感想・評価

くさむすび

くさむすび

ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

2.5

ピーター・ディンクレイジのパートは良いだけに、その他の雑駁としてるドラマが苦痛でしょうがない。若いカップルの話とかもなぜ差し込まれているのかは見ていけば分かるようになっているけど、それが分かるまでは興>>続きを読む

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

3.4

切り返しの単調さ、特にカイルとエヴリンが初めて喋るシーンはただ撮ってるだけって感じがして、上から目線だけど映像面で面白いと思うことはなかった。
でもメッセージが本当に良くて、人が進みたい道や関心なんて
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ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)

4.0

冗長な所もあるとは思いつつ、終盤にかけての展開が好きだし、実存的な物に固執してきたゲティに対して愛情や信頼でポールを取り戻そうとするミゲル&チェイスコンビの話の対比が素晴らしい。ゲティも人を雇ったり孫>>続きを読む

シン・ゴジラ:オルソ(2023年製作の映画)

4.5

そもそも『シン・ゴジラ』自体久々の鑑賞だったからカラー版との比較はできないけど、ゴジラ周りのシーンは恐ろしさが白黒版になることによってより強調され、絶望感や無力さが際立つ代わりに神秘的な雰囲気は消失し>>続きを読む

6月0日 アイヒマンが処刑された日(2022年製作の映画)

3.2

イスラエルの警察官の話がとても良かった。善意の押し付けにも思えるユダヤ人協会の女性に対して、忘れないことについて説く彼の姿勢。ただそのパートの差し込み方が上手くなく、ダヴィッドや刑務官のパートと乖離し>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.0

スクープ合戦から機密文書を掲載するか否かの葛藤へと移り、報道の自由を護るためへの闘いへ転換していく。新聞ができるまでの一連の流れ、記事を書く人だけでなく印刷所の人間がいて、できた新聞を積み込む人間がい>>続きを読む

ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)

2.9

見終わってから分かる今作の日本版ポスターの酷さ。この親子、別に仲良くも仲悪いとも思わなかったので、何をそんなにグズグズやっているのかという面でフラストレーションが溜まる。気まずさの表現をコメディに逃げ>>続きを読む

二つの季節しかない村(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

嫌な映画だけどめちゃくちゃ面白い。ボーッと見ていれば一見なんてことないような男にも思えるが、会話を聞いていることによってサメットの本質的な部分が見えてくるようになる。毎度毎度長尺を取ってじっくり会話を>>続きを読む

狎鴎亭(アックジョン)スターダム(2022年製作の映画)

1.3

キャストの魅力だけに頼り、演出の面では何の工夫もない映画に見える。序盤から隠そうという努力もなくただただ言わせているだけの説明台詞が目立つ。ドンソクが街の色々な人に声をかける冒頭の場面で、女性を見かけ>>続きを読む

スイッチ 人生最高の贈り物(2023年製作の映画)

-

最近疲れているせいか、あり得ないくらい泣いてしまった。自分はif系のストーリーに弱いのかもしれない。恒久的な日常ではなく、いつか終わりが来ることが分かっている体験だからこそ何気ない幸せなひとときだけで>>続きを読む

十一人の賊軍(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

白石和彌今年2本目の時代劇だけど、今作の方が好き。見終わった後は尺相応の疲労を感じつつ、大迫力の戦闘シーンが幾度となくやってくることに起因しているのかなと思う。籠城ものの映画なのに、興味が失われずに見>>続きを読む

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.7

面白いと同時に危険な映画。ヴィルヘルム2世が失脚して、弱りきったヴァイマル共和国に現れた強い指導者としてのヒトラーが支持されたように(ナチスについては勉強し始めたばかりなので、認識に誤りがあったらごめ>>続きを読む

アンブレイカブル(2000年製作の映画)

4.0

まだシャマランビギナーではあるけど、シャマラン映画は自覚的であるにせよ無いにせよ、人の隠し持っている面を描いている作品が多いなと。自覚的なのが『シックス・センス』最新作の『トラップ』で、そうじゃないの>>続きを読む

宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

3.5

ファンタジーが過ぎるけど、凡百の南北映画は作らないという気概が感じられて、コントに振り切ってる今作は今作でありだと自分は思う。ただこの世界の狭さ、登場人物たちがほとんど固定されているのは食い足りない。>>続きを読む

室井慎次 敗れざる者(2024年製作の映画)

3.6

ムービーウォッチメンの課題映画になったので予習せず鑑賞。不満点もあるけど、まあまあ楽しめた。
全体通しての感想としてはテンポが悪い&各パートの偏重が目立つ。福本莉子さん演じる杏が室井に飲み物を渡す場面
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配信犯罪(2021年製作の映画)

2.3

韓国らしいデジタル性犯罪を題材にした作品で、真相も予測できないもので裏切られたが、あんまりこのやり方は好きじゃないし、エピローグもなく投げっぱなしなのがダメ。色々な人がスパチャしてるのに486様にしか>>続きを読む

トラップ(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤からずっとどうなるのだろうかというワクワクと興味で推進していって、ずっと面白いから☆5.0をつけようと思っていたのだが、レディ・レイブンがリムジンで抜け出したかと思いきや運転手がクーパーだったとい>>続きを読む

ゼンブ・オブ・トーキョー(2024年製作の映画)

4.3

東京好き人間としてこのタイトルの映画を見ないわけにはいかないだろうと思って鑑賞したのだが、想像以上に良かった。日向坂46の4期生を誰1人知らず、最初は誰が誰だか判別できるのだろうかと不安になるものの、>>続きを読む

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

2.0

小説なら面白いと思うけど、映画として見ると基本高速道路の風景が主となるロードムービーなので、面白いとは思えない。不安定な存在だった陽子が、その場に佇むことを必要とされる黒沢あすかと三上愛のパート、恐ら>>続きを読む

シックス・センス(1999年製作の映画)

4.0

小学生の時に見たことあるけど内容殆ど覚えてないので実質初見。でもオチは予測できてしまったので、頭の片隅に記憶は残っていたのかも。どんでん返しというよりもドラマが優れている印象で、それまでのストーリーに>>続きを読む

リトル・ワンダーズ(2023年製作の映画)

4.2

とんでもない凶行を繰り返す悪ガキたちの姿に最初は乗れるかどうか不安になりながら見ていたが、途中からはすっかり彼等を応援する気持ちで見てしまい、まんまと今作のマジックに魅了させられた感じ。携帯の電波の曖>>続きを読む

読まれなかった小説(2018年製作の映画)

3.8

鋭利な棘で逐一刺してくる前作『雪の轍』が良すぎたのもあるけど、今回はハイコンテクストな作品で自分にはやや受け入れにくかった。文学の教養があればもう少し理解できたかもしれない。それでも会話劇の面白さは流>>続きを読む

グラディエーター(2000年製作の映画)

4.7

初鑑賞。めちゃくちゃ面白かった。序盤からテンポよく進んでいって、人によっては味気ないと感じるかもしれないが、マキシマスがアウレリウスや妻、子供を弔っている暇もなく、奴隷の剣闘士となるまでとなっていく彼>>続きを読む

破墓/パミョ(2022年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

序盤はお仕事映画として興味深かった。本当に存在するのか分からない職業の地官と巫堂(?)という職業の人がチームを組んで、改葬を行うための儀式で「破墓!破墓!」と叫んだり、イノシシ年の労働者5人と豚5匹を>>続きを読む

悪の法則(2013年製作の映画)

2.7

もっと面白いと思ってた。ありとあらゆる欲望に目が眩んだ人間たちの話は面白いけど、面白くなるまでに時間かかるし、序盤に積み上げられた描写の意味に気付いた時は唸りはするものの感心するとかではなく、平坦手前>>続きを読む

死を告げる女(2022年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

セラの出自を明らかにしてないせいで、今作は「妊娠によってキャリアが崩壊してしまった悲しい母親の話」or「自分勝手に生んでおいて、娘と一緒に心中しようとする身勝手な母親の話」と二つの解釈が生まれてしまっ>>続きを読む

SUPER HAPPY FOREVER(2024年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

見終わってからジワジワと「良い映画だったな」となる作品。タイトルの『SUPER HAPPY FOREVER』は、妻が突然亡くなってしまい幸せな時間が永遠に続かないことへの皮肉、壊されるホテル、本人は幸>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

2.4

バウティスタ側、よくあんな貧弱なロジックで一家を説得しようと思ったな。どう考えてももっとやりようがあったでしょう。ただただ決断を促すだけで物語に広がりがなく残念だし、必死さが伝わってこない。そこが気に>>続きを読む

若き見知らぬ者たち(2024年製作の映画)

1.5

この映画が好きな人には申し訳ないけど、役者の演技以外に良いと思った所が思い浮かばなかった。
若者ケアラー(最初ヤングケアラーとこの感想で書いてたけど、調べてみたら18歳までをヤングケアラーというみたい
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2度目のはなればなれ(2023年製作の映画)

3.5

面白いかどうかは置いておいて、哀愁と軽やかさが併存する良い話。お爺さんが施設から脱走するロードムービー的な要素だけではなく、決して時間が癒すことのない戦争の記憶と傷、妻との愛情物語など、ドラマの部分が>>続きを読む

チャチャ(2024年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

予測できない方向に向かいそうな作品なので好きなタイプの作品かなと思ったけど、大部分が退屈だったし突き抜けてないから結果好きじゃない。
価値観の合わない人間同士のどう転んでも面白くなるとは思えない恋愛劇
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雪の轍(2014年製作の映画)

4.0

『二つの季節しかない村』の予告を見て気になったので監督の過去作を鑑賞。
サスペンス映画かと思ってたら普通に面白い会話劇。何を善と思うのか、それに自分はどう向き合うのか。皆我が強く正直に物事を言うので、
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復讐者に憐れみを(2002年製作の映画)

4.4

復讐3部作の中では一番好きだし良かった。血生臭いストーリーに相反するように綺麗な話運び。自分の見ている世界が全てではないことを示すように出来事がある一方の運命を動かす。ある地点で復讐が交差し、一つの復>>続きを読む

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

世評が低すぎる補正も込みでこの点数。最初のアニメは「は?」とさせられるも、見続けていればアーサーとジョーカーという2つの側面について描いている映画であることが親切に提示しているものだというのが分かって>>続きを読む

恋人たちは濡れた(1973年製作の映画)

-

評価が定まらないのでとりあえず保留。
ずっとよく分からないし、強姦の場面で「男のファンタジーじゃねえか」と思って一気に生理的に無理なゾーンに突入したものの、女将を振り切るためにピンク映画館の2階席の端
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

良かった所もあったし、引っかかる所も少なからずある映画だなというのが見終わった直後の感想。予告は唆られなかったので期待してなかったけど、蓋を開ければロードムービー感が強くてそこは楽しめた。見終わって色>>続きを読む