れんたろう

少女は卒業しないのれんたろうのレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
4.0
大好きな原作×気になってた監督の組み合わせ。原作は短編集だが、それぞれのエピソードを並行して描くことで再構成しており、その取捨選択が非常にうまくいってると思った。本作のようなキラキラしてはいない、ただ確かに実在感がある温度感の青春映画がもっと観たい。

河合優実が物憂げな表情をしている理由の種明かし(同級生が実は死んでいた)に関する時系列の描き方など、要所要所で引き込まれる語り口や、印象的な長回し(バスケのシュート、自転車二人乗り、階段駆け降り)など、多くは説明しない余白を持った演技に好感。
特に好きだった所はクライマックスの歌唱シーン、「卒業おめでとうございます」の言い方が切れ味抜群。

主演4人の演技が素晴らしかった分、もう少しそれぞれのエピソードが作用し合えば、より卒業の切なさがピークにいったかも...