磯崎眞澄

少女は卒業しないの磯崎眞澄のレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
4.3
映画「少女は卒業しない」
原作朝井リョウ
由宇子の天秤、愛なのに、ちょっと思い出しただけ、PLAN75、線は僕を描く、ある男、と出てる河合優実目当てで見ましたが、良かったです。涙。
「どうだ、思い知ったか。」by 神田
女の子自転車映画!後藤と倉橋。

小野莉奈(後藤)アルプススタンドのはしの方 
小宮山莉渚(神田)中井友望(作田)
佐藤緋美(森崎)ケイコ目を澄ませての弟

後藤の寺田に対する気持ちは友達の倉橋とのやりとりで描かれ、それを受けて寺田とのやりとりがありストーリーの流れの中で分かりやすく共感を得られる。

作田のキャラクターも比較的分かりやすい。図書室の先生に抱く気持ちも、最初、観客は好きなのかな??徐々に好きなんだろうなと観客の見方が変化して、偶然街中で会い、送って行く時、作田視線で指輪を捉える。

森崎はHeaven'sDoorという、口パクアテぶりのバントのリードヴォーカルで卒業前に髪を染めて来てキワモノ的存在。人気投票で卒業ライブのトリになるが、その投票自体がイジリでメンバーは出演を嫌がり、森崎は一人でステージに立つという選択をする。
神田は校門で待って森崎と自転車を2人乗りして帰り、一緒に写真を撮る。神田は森崎を好きなのか?と思わせる展開。
卒業式当日、衣装もメイク道具も音源も部室から無くなるという事件が起きるが、部長の神田は「森崎が一人でアカペラで歌うしかない」と言う。この流れの中で、神田と後輩女子との間でのやりとりがあるが神田の本当の気持ちを推し量ることはできない。
最後に森崎が一人でステージへ向かう。後輩が隠したのは神田だと気がつく。それには答えず、ステージの森崎を見つめる。「みんな知らないけど、みんなが帰った後に一人で森崎が歌うことがある。」
静かに歌い出す森崎。
オー ダニーボーイ!
技巧的にならずに素直に歌うのが素晴らしい!
「どうだ、思い知ったか」のセリフが決まる。
ちょいとどんくさい感じの森崎が光る!
神田は終始、Heaven'sDoor=森崎を擁護、支持していたことに気がつく。そして、森崎と神田の高校生活について、観客の想像力が広がる演出がとても良い。

山城まなみの場合は、フラッシュバック映像と現実の映像が交互に描かれるが、当初はフラッシュバックだとは分からないが、まなみの様子から何かありそう?と感じられる。作田の一言で、やはり何かがあったと分かる。
ラストシーンで制服を抱きしめる。

高校を卒業し、学校自体が取り壊されて無くなってしまうが、気持ちの中では高校生活が生き続けるということか。恋愛は実らないが、皆それぞれ前へ進んで行く。

このメモをしている時に、「ワース命の値段」の中でのセリフ、Move on (被害者たちが前へ進む)を思い出す。
磯崎眞澄

磯崎眞澄