月には兎がちゃんといた

少女は卒業しないの月には兎がちゃんといたのレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
4.1
めちゃくちゃ質の高い青春映画。
高校生の恋愛と卒業をテーマにした物語ってこの世に沢山ありふれていて、目新しい設定は特に無かったのにも関わらず、何かこの作品にしかない特別な煌めきがある気がする。

あたらしい世界へ進むことに戸惑いながら向き合おうとする、少年少女達の繊細な心の機微を掬い上げ画面に捉えるのがとても上手い。

役者の方達もとても自然な演技で、こういう子いたな〜とか自分と重なったり、いい意味で自分含め身の回りによくいた人達の象徴みたいに見えた。
制作秘話のエピソード0も観ましたが、キャラクターと役者本人の人柄を混ぜて演技してたというのをちらほら言ってる方がいて、だから芝居に説得力があるのかな〜と思ったり。主演の河合優実さんは特に素晴らしい。
ラストの体育館のシーンは本当に美しかった。

自分は学校全然行ってなかったし恋人もいなかったから、登場人物と状況がひとつも重ならなかったのに、"ない"青春を思い出してエモーショナルな感傷にたっぷり浸れた!
良映画だったー!