ひろぞう

少女は卒業しないのひろぞうのレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
5.0
河合優実が見たくて本作を鑑賞しました。先ず原作者の朝井リョウに謝りたい。作者原作の映画を三本観て私には合わないと決めつけて、本作を含め1作品も読んでませんでした。結論から言うと本作品は久しぶりの邦画満点映画です。
内容は廃校が決まった地方高校の最後の卒業式までの2日間を描いたもの。たったそれだけの話なのに、控えめに言って最高でした。なぜなら、差別や偏見、イジメ、セックスなど持ち出さなくても、今の時代でも、こんなにも秀逸な青春映画がつくれる事を示してくれたからです。
映画冒頭からずっと風の音が鳴っていて、不穏な気持ちで鑑賞していました。また、嫌な映画なのかなぁ、って観ていましたが、いい意味で裏切られました。河合優実さん目的で観ましたが、他の役者さん達も素晴らしかったです。どのエピソードも好きですが、特に『この本はお守りみたいなもの。持っていると元気をもらえるの』のシーンが本好きにはささります。私も常にお守りとして『李陵・山月記』の文庫本を持ち歩いています。笑。
原作が未読なので、原作がいいのか監督の演出・脚本・構成が良かったのか判断が難しいのですが、トモアレ本作の映画の中川駿監督に拍手を送ります。お見事です!
(原作必ず読みます)