関東大震災後の直後、香川県からの薬の行商団15名が千葉県東葛飾郡福田村で地元の自警団に暴行され、9名が殺害された事件を描いた作品。100年前の事件なのに、昨今の世界情勢を考えると、当時と今の人間はそれほど変わっていないような気がした。人々が深く考えたり、証拠等に基づく合理的な判断をしようとしない。差別するのが当たり前で、人権の意識もほとんどない。問題は暴力で解決できると考えているし、むしろその方が英雄的だとすら思っている。教養がある人をバカにし、話を聞こうともしないし、教養がある人も勇気がないのか、あるいはあきらめているのか、声をあげようとしない…などといろいろなことを考えさせられた。
