2023/09/11鑑賞。
登場人物それぞれの状況や思想、複層的な差別構造をゆっくり丁寧に描きながら、関係も少しずつこじれながら、
ラストシーンにつながっていく様にとても厚みを感じた。
ネタバレになるので詳しくは別で書くけど、ラストの爆発までのやり取りは
火に油というか、もはや止めに入った人から油分を強引に引っぱり出して火に放り込んでいく感じ。
差別意識と恐怖が群をなすと
誰にも止められない恐ろしい結果になるということをめちゃくちゃ丁寧に描いていると思う。
地獄のグループシンク。
加害者も被害者も全員が
「なんで...」となってることが分かる演出が本当に見事。
演者の力も凄すぎる。
壊れ切った井浦新、自由で魅力全開の田中麗奈、ドチャクソセクシー過ぎる東出昌大、芯の強いリーダー永山瑛太、
そして何よりコムアイが天才的過ぎる。
目や表情の演技にぶったまげた。
パンフレットが1,500円もしてビビったけど、
脚本が丸々載ってたり、関係する年表が載ってたりして非常に価値のあるものだった。
関係者にダメな部分をしっかり批判されてる対談が載ってるという
パンフレットにしてはかなり珍しいものになってたので、そこもめっちゃいいなと思った。
フィクションを作りながらも、事実と違う部分をきちんと補完できるパンフレットだと思う。
「あなたはまた何もしないつもり？」
というセリフが
映画を見ている私たちに向けられているものでもあるように思えて、ハッとさせられた。
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