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からくりの君のmitakosamaのレビュー・感想・評価

からくりの君(1999年製作の映画)
3.2
45分程度の中短篇。
原作は藤田和日郎の短編漫画だそうだが、からくりサーカスのプロトタイプのような内容だね。(高橋留美子でいう、犬夜叉に対する炎トリッパーのようなポジション)

90年代末ということで、作風もその時代のブームに則ってる感じ。
ギャグのノリとか、藤田和日郎のテイストとマッチしてる。(逆に最近作られた からくりサーカスは、時代に則してないギャグで鬼スベリしてたと思う)

そしてバイオレンス描写やお姫様の裸の直接的な表現など、この頃までは規制がまだユルかった時代だなと実感する。

若本規夫がぶるぁあああと叫ばない、だいぶ抑えた演技をしているね。
この若本演じる まなじり弥三郎が優秀な幻術使い“加当段蔵”だとわかり、お姫様と戦うラストバトルは燃える。
幻術とからくり人形という2つのモチーフを用いたギミック満載のバトルは流石のセンスだわ。

尺が短いので、ラストバトルに行く展開が早過ぎるのが惜しいな。80分あればもっと面白い映画に膨らんだろうに。
でも今リメイクしたら、ギャグテイストは抑えないと厳しいと思うな。
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