最近どうにも自分の生活の中に「表裏一体」が考えをめぐる時がある。
どちらが表で、どちらが裏なのか。
多数派が正しくて、少数派は正しくないのか。
というより「正しさ」とは。
どうしたって大多数の意見が「普通」や「正解」になることの多い世の中で、少数の意見にも目を向けて受け入れることをしましょうよ、共存していきましょうよっていう大多数が優等生的な主導権を持つような世間の流れになんとなく違和感を感じていて。
なぜ大多数側が受け入れる側になるのか。
はたまたその「大多数が受け入れる側」という考えは少数派の大多数に対する反発的な考えなのか。
そう考えてしまうのはきっと、少数派や世間の思う「普通」から少しずれているであろう感覚やあり方を、それも正しいんだよ、大丈夫だよって純粋な優しさで差し伸べられた「多様性」や「マイノリティ」という言葉が、あまりにも軽々しく時には暴力的に使われるようになっているからなのではないか、とか。
考え始めるとまとまらなくて、自分が今どの位置で考えているのか、どの感覚で考えを巡らせているのかもわからなくなって。
誰しもが大なり小なり生きづらさを抱えていて、それが不安だから、肯定や否定をして自分はこの位置の人間なんだと白黒をつけて何かしらの答えを見つけたがる。
それは一種の防衛本能なのかな、とも。
ほんの少し立つ位置が変わるだけで裏にも表にもなり得ることを、そしてそれが白黒つけられずに（つけなくても良い？）共存していることを改めて感じたそんな映画でした。
ぐるぐると巡らせて着地の見つからない混沌とした思考に、ドスンと乗っかるシーンと、主題歌の呼吸のようにとがあかりを灯してくれてる気がした。
