カプカ

ウィッシュのカプカのレビュー・感想・評価

ウィッシュ(2023年製作の映画)
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ディズニー100周年記念作にして、現代的な技術によるアニメーションながら勧善懲悪でクラシックなスタイルで、過去作へのオマージュ大量にを入れ込みむ内容。
「星に願いを」テーマのミュージカルの歌と映像がとにかくすごかったです。
ですが少し物足りなさも感じてしまう所もありました。

アーシャが叶えたい願いがない主人公でプリンセスになるわけでもないという不思議なキャラだったけど、誰かの願いを叶える側であるフェアリーゴッドマザーになるって落とし方は題材的にもディズニー100周年記念って意味でもすごい良かった。

最初は危険な者達から国家を守りたいという王がドンドン権力を持ち、公共事業としてやってるから役に立つ願い以外は叶えないという「全体の安全か個人の自由か」という話と家父長制が強くなる状況を打ち破る革命の話という設定されているテーマ自体は面白いと思うんだけど、話がフワフワしてる印象が強い。

夢って話については、ラストに誰かに夢を託すのではなく最後まで自分の大切なものとして持っていようという話なんだけど、Wishってタイトルなにもかかわらずヒロインの願いが誰かの願いを叶えたいという願いだから具体的な願いその物がすごいぼんやりしていて、完全にマクガフィンなのでそこの話はあまり掘り下げないのは着地的にはもう少し欲しかった。

勧善懲悪なのはいいし、悪の理由に目新しさがないものそこがメインじゃないのは分かるから構わないけど
王様がヴィランだと予告の段階で明かしているので話にあんまりツイストが無いし、ナルシストな歌とかは良いんだけどヴィランの描き方的にも何もフォロー無くやられる感じとかも微妙だなとどうしても思うのと、
王様一人だけで何とかしようとするので国としてのスケール感が無いのと、そのせいで戦闘や潜入をどう成功させるのかというハラハラさせる見せ方が無く、王様について国民がどう思い変化して革命にいたったかや、お妃様も王様が悪人になってしまったと知った時に長年付き添って昔は良い人だと思ってたはずなのにそこに関する戸惑いとかが一切なくすごい割り切ってる感じとかがったり、歌以外のそこら辺が物足りないと感じたな。

クラシックなスタイルと見せかけてディズニーでやらなかった革命の話だったりやろうとしてる面白いんだけど話を綺麗に昇華しきれてないと感じる場面が多くて、歌のシーンが多いからしょうがないのかもしれないけど他がイマイチだなとどうしても感じてしまったが
ディズニー好きな人にとってみればオマージュやイースターエッグ的なの探すのは楽しいと思うし、歌は本当にすごかったから好きって人も全然いるってのもわかるって感じだった。
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