100周年にふさわしいディズニーの悪いところを煮詰めたような話だった。
劇場で見て、終了時に観客の拍手と親御さんの本当にいい映画だったねという感想が聞こえてしまい、気持ち悪くて仕方なく、久しぶりに感想を書いてしまう。
魅力的なアニメーションと歌にコーティングされて提供される価値観は、子供たちのための正しく教育的なコンテンツなのだろうか。
ディズニー作品が何度も批判されていることが今回も繰り返されている。
民衆の願いを守るという名目で夢を奪い取る独裁者から魔法の力を持つスターの力を借りて、疑問を持った少女を中心に人々が自分の力で夢を叶えられる民主主義革命(革命を起こすという強い言葉がディズニー映画で使われるのは珍しいと思った)を起こすというストーリー…
こんなアメリカ側から見た侵略戦争の価値観押し付けみたいな映画を今の世の中でやるの！？
アメリカが魔法の軍事パワーで人々が自由に夢を持てる社会に解放したストーリーの裏もその後もわかってる世界でそれを礼賛する神経。この無神経さがディズニー映画だよなという感じ。
10年前の批判はすっかり忘れているのに、今流行ってるポリコレは守る。
仮に世の中で翼賛体制が望まれれば、それにふさわしい映画を100年前にウォルトディズニーがそうしたようにディズニーは作るだろうなと感じさせる感慨深い作品だった。
