れん

フェイブルマンズのれんのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
5.0
スティーヴン・スピルバーグ監督による自伝的作品。決定的に映画史に影響を与え続けてきた純粋な想像力と探究心の眼差しは映画の心を掴み、観客の心を掴み続ける。スピルバーグ監督の人生が優しくも残酷に紡がれていくこの作品に問答無用で号泣する。レンズを通して捉えてしまった偶然と想像と奇跡は必ずしもポジティブなものを映し出すのではなく時には物凄く破壊的で残酷で暴力性を帯びた何かを映し出してしまう。映画には人々を魅了する良くも悪くも恐ろしい魔力が宿っている。スピルバーグ監督の記憶を巡りながら子供時代から熱い映画作りへの情熱と神がかり的な凄まじく優れた演出力と工夫、アイデアの数々に圧倒されていく。クライマックスはまさに彼の映画人生を決定づける原点に触れることができる見事すぎるラスト。語りきれないくらいに、信じられないくらいに素晴らしい作品。大傑作。
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