にひみ

フェイブルマンズのにひみのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
2.2
『ジュラシック・パーク』を観たことがなければ『ジョーズ』も観たことがない私でも、スティーヴン・スピルバーグの凄さは知っている。映画を普段観ない人でも名前は聞いたことがある、という人がほとんどだろう。
そんな世界的映画監督、スピールバーグの半自伝的作品ともなれば嫌でも期待してしまう。どんな人生を歩んだのか、自分の生活に活かせる教訓があるのではないかと...

全く期待外れだった。
始まり15分ほどで「あ、これは無理だ」と。上手く言語化ができないが、「この人たちがどうなってもマジでどうでもいいかな」と思ってしまった。
登場人物は誰も好きになれないし共感ができなかった。母親もよくわからないし、父親に至っては終始「何してんの」と言った感じ。行動から言動までさっぱりだった。
(眼鏡をかけた妹は元気いっぱいでとても好きだった。)

また物語が進んでいくと、とある事件に発展するのだが、本当に退屈だった。どうでもいい。
スピルバーグは子供の頃からとてつもなく苦労したのだと理解はしたが、作品としてその映像を観せられても観客としては何も感じない。「あそこの家、なんか大変そうだなー」くらいの感覚である。
ただの自己満映画だと感じた。

そういうのではなく、映画を撮影するにあたって苦労した点、どのように成り上がっていったのか、これから映画監督を目指す人へのメッセージ、そういうものが観たかった。
これらの点だと、戦争映画の撮影シーンはとても面白かった。予算を抑えて工夫に工夫を重ねて臨場感、リアル感を求めて試行錯誤するシーンは熱くなった。

ただ、やはり全体を通してみると長く、どうでもいい映画だったな、と思う。
人に勧めることもないし、2回目を観たいとも思わない。
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