やんま

フェイブルマンズのやんまのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.5
ミュージシャンの伝記ドラマは多々あるが、そんなド派手な人生は送ってないだろう一監督の自伝的映画、しかも映画監督としての道を歩み始めるまでの話が果たして面白いのか。と思っていたけど、そんな2時間30分の長編を面白く仕上げるスピルバーグ監督はやはり流石。

どこまで忠実に再現しているのかは分からないけど、昔から映画が人生の核となる存在であり続けたことは十分に伝わった。
楽しいことも、辛いことでさえも映像と密に関わっている。初めて映画を観た、彼の人生が始まったあの瞬間を追体験する貴重な体験ができた。

家族/学校を舞台に話が展開されていくなかで、印象的だったのが時折映るフェイブルマン少年の映画撮影シーン。十分な環境が揃っていないなかでどんな工夫を凝らして映画を撮っていたか。色んなアイディアが出てきてシンプルに興味深かった。

映像の魔力を少年時代を通して痛感した彼が、これからどのようにしてかの名作たちを撮っていくのか、気になるところではあるけど今作はここでおしまい。
最後に思わぬサプライズもあり、爽やかなラストカットまで抜かりない。
やんま

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