オーケンシールド

フェイブルマンズのオーケンシールドのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.9
スピルバーグだから撮れた自伝的映画。
家族と贖罪、映画少年が歩む数奇な人生。
教訓や経験則を投与したヒューマンドラマ。

ある一夜、少年が体験した映画館での激突。
恐怖と好奇心。フィルムとの運命的な出会い。
自主制作への取り組み。試行錯誤の撮影裏。
家族の転勤。変化する環境、将来の計画性。
芸術家と科学者。狂い始めた歯車。不倫。
差別、恋愛、友情。波瀾に満ちた学生生活。
満を持してのジョン・フォード。大成への道。

①スピルバーグ監督が回帰する人生。
②スピルバーグにとっての映画とは?
①と②が程よく中和されたバランス感覚。
説教臭くなく普遍的な生活に寄り添う映画への
アプローチが観ていて心地良いい。

ポール・ダノの穏やかで空気のような芝居が作品全体に安定感を与えていて素晴らしかった。

全てが実話ではないにせよ、大人になるまでに経験した出来事が映画監督スピルバーグを形成する上で、大きな影響を持ったことは十二分に理解できる作品だった。
オーケンシールド

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