世界一の映画監督が送ったほろ苦くも豊かな青春が眩しい。
フェイブルマンズ少年を通じて、人間の不確かさと愛おしさ、芸術(ショーと同一視されてる気もしたけど)の在り方について雄弁に語られる様に驚かされた。
繊細な映像文学青年としてのスピルバーグの姿が生身の人間として存在する様に興奮。
映像の美しさも禿筆もので、母親の秘密が映り込んだフィルムを目にしてサミーが愕然とするシーン(映画史に残る名場面では)、ジョックスの彼が去る場面の余韻とか本当に素晴らしい。物語と映像の圧倒的な噛み合わせに落涙したし、
映像詩としての強度にひたすら打ちのめされる。
あと、最後ジョンフォード役でデヴィットリンチが出てくるんだけど、あのシーンだけリンチの映画みたいになってて笑った。リンチが喋るだけであの場を支配してしまう感覚。すごいコラボレーションが忘れられない。