ラッパーツァイ

イグジステンズのラッパーツァイのレビュー・感想・評価

イグジステンズ(1999年製作の映画)
5.0
内容からあのキモいSFXまで全てが好き。

この映画の世界ではゲームは体の外側にある知覚器官を介するのではなく、脳に直接ゲームを繋げて遊ぶ。
その一つとして出てくるのが生命体のように柔らかい皮膚で覆われたゲーム器。中には内蔵と血液もある。
それをへその緒みたいな紐で腰に開けてあるバイオポートという穴と繋ぎ、脊髄を通して脳にゲームを知覚させる。
文字だけだと上手く伝えられないが、映画を観た時にこんな気持ち悪いアイデアがどうやって生まれてきたのかと思った。

現実世界と仮想世界の対比を描いた映画で特に有名なのは「マトリックス」だが、この映画は「マトリックス」で言い忘れていた本当の恐怖をしっかりと主張している。
それは自分たちが基準としている現実世界が本当に現実世界であるのかということである。
「マトリックス」ではネオやモーフィアスらが基準としていた現実世界が最後まで確固たる現実世界のように描かれていた。
自分たちが普段何事もないように暮らしている世界は実はコンピューターの仮想世界だったというのも十分怖いが、もっと怖いのはそういう仮想世界から抜け出せないことだ。
故にこの映画のラストはあやふやではあるが非常に納得のいくラストだった。
ラッパーツァイ

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