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カイマックのYKのネタバレレビュー・内容・結末

カイマック(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

隣あった集合住宅があって、片方に金持ち夫婦が、もう片方には熟年夫婦が暮らしている。どちらも不幸な生活ではなかったが、どこか満足できない毎日。そんな両夫婦のもとに、それぞれ第三者が介入する。

2人→3人になった各家庭は、言わばふつうとは違う関係性だが、それぞれがウィンウィンならばOKだ。疑似家族とか、新しい人間関係といったものが好きな自分は、2組が対面しすれ違うという印象的なシーンでかなり興奮した。

しかし、そんな関係性もなかなかうまくはいかない。特に下層階に住む女女男の生活なんかはすごいおもしろかったが、結果的には破綻してしまう。それぐらい難しいことなんだと実感した。でも、こうした関係性がずっと続くような物語もあってほしいと思う。(あったら教えてください)

タイトルになっている「カイマック」というのは、トルコとか北マケドニアあたりで食べられるバターみたいなもので、パンにつけたりして食べる。日本でも食べられないかと思って調べたけど、どこにも売っていないらしかった。同じようなものとして、イギリスのクロテッドクリームというものを成城石井で買うことができ、それを食べた。クリームの中でも上澄みの「いいとこ」だけをとったカイマック(クロテッドクリーム)は、バターよりも濃厚で牛っぽい感じ。自分にとって都合のいい、人生の「いいとこ」だけをかき集めようとした人たちの物語、ということでこの「カイマック」をタイトルにしたと監督は話していた。

☆東京国際映画祭
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