感覚派のアケルマンと、理論派のセイリグ。歳の離れた2人がぶつかり合うだけでここまで見応えがあるのが凄い。『ジャンヌ・ディエルマン』に対する両者の熱意や、互いに対する信頼と尊敬が伝わってくる。
ほとんどが女性で構成された撮影班だからこそあの傑作が生まれたのだと納得。カメラの裏のやり取りを観られるのはやはり嬉しい。
フェミニストであるセイリグの生き様のごく一部を切り取った映像というだけでも観る価値がある。インタビュー映像や、ラストの音響技師とセイリグの衝突は必見。
25歳で『ジャンヌ・ディエルマン』を撮ったアケルマンの才能を改めて実感できた。
2022年200本目