ノム

⻘いカフタンの仕立て屋のノムのレビュー・感想・評価

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)
5.0
カフタンを一縫い一縫い、時間をかけて手縫いで仕上げていくような映画だった。こんなにもタイトル–青いカフタンの仕立て屋–と内容が一致するなんて…

公衆風呂でセフレ?とヤリまくり、ユセフと浮気まがいのことをして、ミナ亡き後は、ユセフと共にすることを決めたハリム。ひょっとするとクソ男にも見える。でも、ミナのことを確かに愛していたし笑い合っていた。

葛藤しながらも本能に抗えず、でも葛藤する。
これが人間なのだろう。この人間らしさを どう受け止めていけばいいのか、自分にはわからない。クソ男と簡単に切り捨ててしまうことは自分にはできないのだ。

最後、ミナの葬式の場面は、本当に感動した。
最初から最後まで巻かれていた種を、ここで開花させたんだね。色んな価値観を自ら編んだカフタンで、静かにしかし大胆にぶっ壊すロックンロールさ。最高だ。
ノム

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