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⻘いカフタンの仕立て屋のyayouのネタバレレビュー・内容・結末

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

モロッコ、彼女たちの朝と同じく主演のルブナ・アザバルさん。一度見ると忘れない強さと美しさ。記憶に残る存在感。

ブルーが美しいカフタン。しなやかで光沢も美しく上質なのが伝わる布地。金の糸でほどこす装飾。伝統技術と芸術。

実は詳細を知らずに見たので、始めは少々戸惑ってしまった。。
視線 と 間 の映画。
モロッコは、同性愛が犯罪とされるらしい。今だに人を愛することが罪になるなんて。
この作品を作るのに監督さんは勇気がいったのではないかと思う。でもそうではないらしい。

ミナの背中が、だんだんと痛々しいほどか細く痩せていくが、最後まで気丈に強くて、少し毒々しさも持ち合わせているけど、それがまた魅力。
なんといっても夫のハリムのかいがいしさ。ミナに優しくするのは慈愛にあふれていて幸せそうなのに、自分に愛を向けられると、悲しそうに泣きそうな目になるのが切なかった。
でも、そんなこと全てミナはわかっていて。。すごいな。
ユーセフのかっこよさと優しさがまた良い。
この三人の相性と対比が素敵だった。

ゆっくりと表情をとらえる贅沢な映画。
このカフタンと同じく上質なものに感じられた。
ラストのお店で、地元の男の人たちが大勢のいる中にハリムとユーセフが2人で座っているのが映されて、なんだかほっとした。絵になる ふたり。


何度も見たいというより、
自分が死ぬまでに絶対見たかったと思える作品でした。
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