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クリード 過去の逆襲のCLAYMOREのネタバレレビュー・内容・結末

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

前作より大ヒットということで期待して見に行ったが、率直に言って前2作品には及ばないという印象。悪い作品では決してなく、良作であることには変わりはない。

まず主人公の戦う理由が前2作品より弱いと感じざるを得ず、音楽が前2作に比べて燃り上がりに欠ける…。最後のファイトシーンは過去の『ロッキー』『クリード』シリーズにはない奇抜な演出がみられ、アニメの影響を受けたところなのであろうと思う。

まさかのリッキー・コンラン(予告では示唆されていたが)やヴィクター・ドラゴの再出演はサプライズだったが、あまり巧く生かし切れていないと思う。そしてスタローンに関しては、製作のアーウィン・ウィンクラー(『ロッキー』シリーズのほぼ全権利を所有する)との確執や本作のストーリーに難色を示したことから本作には出演しないことが事前に発表されていたが、何と写真やポスターですら登場しなかった(はず。あくまで自分の記憶では)。予告編で使用されたロッキーに言及するシーンはカットされている。スタローンは原作者なので製作に名前こそクレジットが与えれているが、実質は名義だけの名誉職の様子。本作はポスプロの編集段階でちょっとしたゴタゴタがあり、スタローンは再編集を依頼されたが、これを一切拒否している。ちなみにアポロ・クリードも今回映像はおろか写真ですら登場しない(予告で使用された墓参りのシーンはカット)。肖像権料を支払いたくないのか、肖像使用を拒否されたのか…。作品の裏側でどんなことがあったのかは分からないが、レガシーは大事にして頂きたいなというのが正直なところ。

本編の最後についていた短編『CREED:SHINJIDAI』、展開が早すぎて全く話についていけなかった。英語字幕付きであったが、いずれ本国でもリリース予定なのだろうか。
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