マーボー

ドラえもん のび太のパラレル西遊記のマーボーのレビュー・感想・評価

3.4
プリキュアの映画観ようと思ってネトフリ物色してたらいつの間にか再生して、いつの間にか全編通して観てた。

「大長編ドラえもん」って感じの一本。
いつも通り事件が発生して解決するお話。今回は間接的にドラえもんが引き起こしたってのは特異な点。

まぁ特記すべき点があまりないな。
アクションはこの時代のドラえもん映画だからそんなにすごいもんじゃないし、ストーリーも深みは特にない。

でも裏を返せばさっぱりとしたストーリーで楽しめる一本ではある。
そもそも近年のドラえもん映画に多い感動描写をあまり入れない分純粋にドラえもんたちと妖怪たちとのハラハラドキドキの冒険バトルファンタジーとして出来上がってるのがいいね。

あの少年が妖怪のスパイだったなんてやろうと思えばいくらでも感動モノに落とし込めるのに、やらなかったのはいい決断だと思う。

そもそも敵はヒーローマシンから出てきた完全な敵役キャラなわけで、そこに深いドラマがある訳じゃない。
だから敵として成敗しつつ、もとから善い心を持っていた少年を一人の人間として迎え入れる。で終わり。

よくアニメのトラウマとして挙げられる本作だが恐怖演出はそんなにない。でもちょっとずつおかしいなぁが溜まって、最終的に妖怪の世界になってしまったんだ!ってわかるところは不気味さと怖さが同居しててちょうどよかった。

時系列がごちゃごちゃしてるけどまとめると
・ヒーローマシンで孫悟空のふりをするのび太(2回目の時間移動)

・ヒーローマシンから妖怪が逃亡

・妖怪軍団との対決(3回目の時間移動)

・行き倒れる少年とのび太の邂逅(1回目の時間移動)

・妖怪の世界になっている現代

っていうタイムライン上で過去の出来事が反映されてるわけ。
時間移動には48時間の誤差があるという説明がしれっとされていたけど、それがいかされてた形になるわけだ。


でもいくつか謎は残ってるんだよ。
タイムラインではヒーローマシンから妖怪たちが逃げ出すあとだけど、そのアクションがまだ行われていない世界線で少年がのび太を孫悟空と呼ぶ。そもそも少年が妖怪のスパイ兼子供なら妖怪たちが出てこないとこっちの世界には存在しないわけで。

あと結局いつホンヤクコンニャクを使ったのか。
3回目の時間移動の後にのび太たちは使っているが、1回目の時間移動の際は未使用。
無論3回目の時間移動の際は自分達が使ったから少年や三蔵にはホンヤクコンニャクを与えていない。
結局何故1回目の時間移動でホンヤクコンニャク無しで会話できたのかわからずじまい。

ドラえもんがツッコんでたから余計目立っちゃう。

そういう粗に目を瞑れば単に楽しい痛快冒険ダークアクションバトルファンタジー として楽しめる一本ではある。