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レッドシューズのKUBOのレビュー・感想・評価

レッドシューズ(2022年製作の映画)
3.6
2月2本目の試写会は『レッドシューズ』完成披露試写会。

Netflix ドラマ『今際の国のアリス』のクイナ役で素晴らしいプロポーションで激しいアクションシーンを見せてくれた「朝比奈彩」の初主演映画。

先日キネマ旬報で賞を総なめにした『ケイコ』は聴覚障害者のボクサーだったが、本作はシングルマザー・ボクサー。

かつてデビューから7戦7勝と期待のホープだった真名美(朝比奈彩)は、出産後、夫を病気で失い、シングルマザーとしてボクサーに復帰したが、アルバイトをしながら子育てとボクシングを両立するのは難しく、娘の親権を巡って義理の祖母(松下由樹)とも争っている。

娘といっしょに暮らすためにも安定した収入が必要なのだが、正義感の強い真名美は職場でのハラスメントに黙っていられずに上司とぶつかり仕事を転々とする毎日だった。

そんな日々の中で、ひょんなことから相手に怪我をさせてしまった真名美は傷害で逮捕されてしまう。その事件をきっかけに、娘は祖母に連れ去られ、失意の底にあった真名美は、チャンピオンになって娘を引き取りに行くと誓うのだった。

『今際の国のアリス』でも注目だった高い身体能力を駆使した朝比奈彩のボクシングがカッコいい。

ほとんどのボクシング映画に関わっている松浦慎一郎さんが本作のボクシング指導も行っているが、『ケイコ』がスピーディーなコンビネーション重視だったのに対して、本作はどちらかと言えば『ロッキー』タイプ。朝比奈彩の上背とリーチがある体型ならフットワークを使ったアウトボクシングのような気がするんだが、パワータイプの打ち合い型。撮影に挑む前にボクシングの練習に励んだという朝比奈彩が体当たりのアクションを見せてくれる。

また『ケイコ』がボクサーである前に聴覚障害者であったように、本作の真名美もボクサーでである前に「母」である。

一番のテーマは母と子の絆であり、ボクシングは母「真名美」の生き様なのだ。

脚本や設定には甘いところもあり、リアル志向を求める向きには物足りないかもしれないが、初主演となる朝比奈彩の熱演を2時間見ていられて私は満足。

舞台挨拶の朝比奈彩さん、顔ちっちゃくて9頭身くらいあって、本当に素敵でした!
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